底や蓋裏以外の表面と見込み全体に、大胆に作られた凹凸模様、全体を二分する鮮やかな色による施釉など、デコラティブな陶器製の平蓋中鉢、茶道具の菓子器だと思われます。 底面には縁に向かって幾重もの中心円、ろくろ台から切り離す時に生じる輪状の模様が見られます。ろくろ成形された中鉢の原型の表面と見込みに、凹凸の装飾模様が作られ、施釉、焼成を経て作陶されたのものだと思います。中鉢全体には、製造時に生じる細かなヒビ、貫入（かんにゅう）が見られます。 底の陶印は判読が難しく、陶芸家や窯元などの特定には至っていません。色彩は織部焼のようですが、そうかどうか分かりません。 自宅保管品です。製作時期や使用状況は不明ですが、汚れや損傷はほぼ見られない良好な状態の平蓋中鉢です。 大きさ（㌢）重さはおよそ次の通りです。 高さ（蓋有）９．８（蓋無）８．８、深さ７．３／ 開口（外径）１９．８（内径）１６．５／ 胴径１９．８、底径１６．５／ 重さ１２５４㌘／ 製作時期、窯元、陶芸家などは不明です。洗浄などのお手入れの上、茶道具の菓子器だけではなく、食器、食品保存容器、インテリア兼小物入れなど、自由な発想でお使いいただければ幸いです。なお、液状のものを満たして使われることはないと思いますが、縁近くまで水を満たし長時間ではありませんが放置し、漏れや滲み出しは確認されませんでした。容量は縁近くで１５００㏄です。