71年に突如ソニーから発売され、忽ちベストセラーとなった3バンドモデルです。 天空の探索者とでも言うのでしょうか、如何にも微弱な電波を探り出す精密機器、という名称は、英語的に成り立つ表現かは兎も角、中学で英語を習い始めた少年達のハートを鷲掴みにした筈です。 縦型の恰もトランシーバーを思わせるデザインも誠に新鮮でありました。 何を隠そう、ソニーの魔術(ハッタリとも言うが)にはコロリとやられて、手元にIC11があったにも関わらず、此方もおねだりで買って貰いました。天国のオヤジには申し訳ない。 もう一つ私的には落ちが有って、それ程魅せられ、期待を持って手にした割には音も感度もIC11と大差無く、可成りガッカリしました。 このモデルがヒットした最大の理由は多分この縦型のデザインなのでしょうが、多くのラジオを弄って見て、初めてソニーが何故このデザインを採用したかが、分かった様に思います。 それはアクセサリーを付けるために利用できる面積が横型よりも圧倒的に有利な事です。 従来の横型だと底辺の長い部分は電池カバーとしてしか使えません。短辺2辺は ボリュームとチューニングノブを置くと、アクセサリーを配置出来るのはトップ部分のみとなります。 実際このモデルの後に出された5450は殆ど同じパーツを使いながアクセサリーはぐっと少なくなって居ます。 今になって見れば、ソニーは当時流行の沢山のギミックを全部載するために縦型にした、という事かと。まあ、それがまんまと当たった訳ですが。 アクセサリーが多い分、このモデルは故障が多く、開口部も多いので、折角12cmのスピーカーを付けた割には音も大した事はありません。 この個体は結構綺麗ですが、ホップアップアンテナとトランスミッター機能が使えません。アンテナ先端は代替品。 他の機能は問題無く、お届け翌日迄、評価前の不具合には対応します。電池付き。 今の相場だと超お買い得でしょうね。