鈴木理策 熊野 KUMANO 光琳社出版 1998年 104ページ 257×333mm カラー図版63点 ソフトカバー デザイン：白石良一 鈴木理策第一写真集。地理的移動と時間的推移の可視化を主題に63枚の写真をシークエンスで構成。マッチの火を発端として移動する視線は東京から熊野へ、そして鈴木の生地・和歌山県新宮市の御燈祭りの炎へと至る。本書はページをめくる時間の中に映像的経験を生み出すことへの試みである。毎年2月6日に神倉神社で行われる御燈祭りは日本最古の火祭りとされ、熊野修験道とも関わりが深い。古来、聖地として信仰を集めた熊野を見つめる鈴木の写真は、この土地に刻まれた太古の記憶とつながっていく。 普段何気なく目にする平凡な風景を切り取ったかに見えるこれらの写真は、確かに存在しているその『領域』の重要性を、明らかにしている 日本の写真家・鈴木理策（1964−）の写真集『KUMANO』。80年代後半から写真を媒体に創作を始め、青森県・恐山で撮影した〈Osorezan〉と三重県・花窟神社の祭礼についての〈Izanami〉からなる写真集『PILES OF TIME』で2000年に第25回木村伊兵衛写真賞を受賞。2015年には東京オペラシティアートギャラリーで個展『鈴木理策写真展 意識の流れ』を開催し、また海外での展示も多い鈴木は、世界的な評価を得ています。 カバーにキズ、スレあり 帯破れあり